【東京五輪】「あきらめた」「手続き難しい」……五輪チケット抽選初日、いらだちと戸惑いと

東京五輪のチケット抽選申し込み初日は、多くの人が公式サイトの申し込みページにログインできない「いらだち」と「あきらめ」の中で始まった。五輪への関心の高さの表れともいえるが、高齢者からは申し込みをネットに限定したことへの戸惑いの声も上がった。

「列での順番658681」。東京都大田区の会社員の女性（37）は、申し込み手続きに入るための順番待ちのページを見て驚いた。女性の前に65万人が手続きを待っているという意味で、待ち時間は「1時間以上」と表示されていた。「五輪を見たという思い出を作りたい」と思って初日に申し込もうとしたが、「何時間もスマホの画面を見ているわけにいかないので、あきらめました。後日挑戦します」と疲れた様子だった。

都内の40代の主婦も、スマートフォンで何度もアクセスを試みたが、「順番待ち」のページで止まったまま。申し込み手続きまではたどり着けなかったという。「開会式とテニスの試合を申し込みたかったのに」と不満げだった。

ネット上での混乱をよそに、スマホやパソコンを持たない高齢者からは冷ややかな声も聞かれた。東京都小金井市の無職、渡辺昭彦さん（81）は「申し込み方法はテレビで見たが、手続きが難しい。スマホを持っていない年寄りには大変だ。生で見たい気持ちもあるが、テレビでいいと思っている」と話した。

若者からは価格の高さを指摘する声もあった。都内の大学でサッカーのサークルに所属する男子学生（20）は「サッカーの決勝は絶対見たいけど、かなり高額だと聞いている。実際に買えるかは分からないが、人生で一回あるかないかのチャンス。抽選に当たってから考えます」と話した。【大島祥平、川崎桂吾】

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