<ビートたけし>「絶対にクスリをやらない」と誓った理由

最新ニュース記事 , 2019年12月2日

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2019年はピエール瀧や元KAT-TUNの田口淳之介、沢尻エリカなど「薬物」による逮捕が相次いだ1年となった。芸能界の闇について語った新刊『芸人と影』を上梓したビートたけしが、「クスリだけは絶対にやらない」と決意した過去の体験を明かす。

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もう半世紀前の話になる。大学に入ったはいいものの、オイラにとっちゃそこは決して居場所のいい場所じゃなかった。大学で勉強なんてろくにしちゃいないし、そもそもゼンゼン行っていない。まずは「設計図を書いてスパナを作りましょう」なんて言うんだけど、そんなもんやってられるかって思ってた。覚えたのはイカサマ麻雀のやり方ぐらいでさ。

で、そのうち大学の手前の新宿で途中下車してフラフラし始める。ジャズ喫茶のボーイ、タクシー運転手やら、フラフラといろんな仕事をやった後、何かに吸い寄せられるように浅草へやってきた。エレベーターボーイの募集を見たのがきっかけでフランス座に潜り込んで、いつからか踊り子や浅草芸人たちと毎日を過ごすことになった。たまたま深見千三郎って達者な師匠に出会ったおかげで、オイラは芸の道の入り口に立つことができたんだよな。

だけどそれまでは、学校にも社会にもなんだかなじめなくて、どこかやけっぱちなところがあった。そんなオイラには、浅草の芸人たちのつくる独特の雰囲気がなぜか居心地がよかったんだ。

その頃の浅草芸人にはみんな「世捨て人」のような感じというか、どこか人生を諦めている匂いがあった。本当はみんなテレビに出て、一発当ててやりたいんだよ。だけど、出られなくてもどこか「まァいいや」という感じがしてさ。で、みんな芸にはプライドを持っているけど、実生活は褒められたもんじゃない。フランス座の楽屋には、空になったヒロポン(覚醒剤の一種)のアンプルが至るところに転がっていた。みんなベテランの芸人たちが使ったものだ。

そういう人たちの末路は悲惨だった。よくネタにしているけど、段ボールをかぶって隠れて、指で開けた穴から外を見回して、「俺は刑事に監視されている!」ってガクガク震えてる人もいた。典型的な覚せい剤の幻覚症状だけど、その人にとっちゃ本気も本気なんだよな。

そんなヤバい姿を見ているから、オイラは勧められても絶対クスリには手を出さなかった。だけど、当時はそういう雰囲気こそが「芸人」のど真ん中だったんだ。テレビなんか出ずに、演芸場やストリップ劇場でたまに舞台に出て、仕事がない日は安い煮込み屋でクダ巻いてさ。

https://news.livedoor.com/lite/article_detail/17462458/



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アル中、ヤク中になってボロボロになって死んでも、それが芸人ってもんだから本望だって人たちばかりだったし、中にはそんなヤツを哀れに思ってかわいがってくれる常連客もいた。

その後、オイラは漫才ブームで売れて、幸運にも世に出ることができた。だけど、もし自分があのまま浅草にとどまっていたら、どうなっていたかわからないという気持ちは常に持っている。それにご存じの通り、テレビに出るようになってからも、オイラは今のがんじがらめの芸能界じゃ考えられないようなことをサンザンやらかしてきたクチだからね。

フライデーの事件は33年前、バイク事故は25年前になるのか。あれと同じことを今の時代にやったらどうなるか。さすがに最近の若手芸人みたいに簡単に潰されやしないけど、昔より処し方が難しくなってるのは間違いない。

まァとにかく、曲がりなりにも昭和・平成のテレビを生き抜いてきたオイラからしたって、世間に威張れるような経歴じゃないからさ。オイラだけじゃない、「芸能界の大御所」なんて言われる人間の過去をちょっと調べてみろよ。みんなスネに傷ある人間ばかり。昔の芸能界は、たとえクスリやらで逮捕されたって、何年か経てばシレッと元通り活躍できるような、ゆる~い業界だったんだよ。

※ビートたけし/著『芸人と影』(小学館新書)より


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箱男実在したんだな


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電波少年に居たね


取得元:You Tubehttp://kanasoku.info/articles/126747.html